怪異

家が鳴れば家鳴、火が消えれば火消婆、チンコの周りが怪異ときはインキン。昔から人は妖怪と共に生きてきました。

前にどこかで話しましたが、20年ほど前の話です。夜に家の周りをハイヒールで歩き回る音が聞こえてきたんです。ずーっと続くので姉ちゃんビビりまくり。幽霊とかまったく怖くない自分がチビりながら確認。音の原因はすぐにわかりました。隣のマンションとの境の塀に扉があって、それが風でコツコツ当たる音でした。

わかってしまえば何てことない。わからないままだと「妖怪ハイヒール女」、「妖怪3リットル小便天パ」が誕生していたことでしょう。しまいにはラジオで得意気に「あのねぇ、この前3リットルおしっこ出てねぇ」と怪談話が披露されるところでした。

そして先日、また新たな妖怪が産まれました。

自分の会社はマンションの1階にあるんですが、たまに関係ない人が会社の駐車場に勝手に停めることがあります。先日も朝7時半頃に1台の車が会社の入口にデーンと停まりました。誰だ?社員来るの早くないか?と慌ててパンツを履こうとしたんですが、ブラインドの隙間から覗くと知らない車。はは~ん、無断駐車やな~とパンツを上げる手を止めました。

車からおっさんが現れ、マンションに消えていきます。その間にペンギン歩きで入口付近のブラインド全開。おっさんが奥さんと戻ってきて荷物積んだり車拭いたりしてるので、ここぞとばかりに社内の電気チカチカチカー!!!社内の全部の蛍光灯が点いたり消えたり点いたり消えたり。朝の無人の会社で電気チカチカチカー!!!

チカチカチカー!!!

えへへ~どうだ~怖いだろ~?と覗いたら、奥さん元気にいってらっしゃーい!なんだよ…怖がってないじゃん…ペンギン歩きを止めた途端、膝から落ちるパンツ。「妖怪全裸男」の誕生でした。

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この記事を書いた人

東北の某都市の零細企業で働く窓際びんびんサラリーマン。
幼少の頃から霊感の強い母方実家の人間や幽霊屋敷に住む友人などに囲まれて過ごすが、本人に霊感なし。
代表作「ボウィンマンの一言物申す」

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