ちんまん雑記– category –
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ちんまん雑記
偽り
第1話はこちら コツリ…コツリ… お母さん コツリ… お父さん 門眞町にある乗船場の待合室は、今日も多くの死者で溢れていた。名簿を持って歩く加藤ノドカに声をかけたのは、初老の男性だった。 「出航はまだですかな?いや、船は苦手でね」 「大丈夫です... -
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別れの先に
宮城県宇井群門眞町には1日1便だけ運航する小さな乗船場がある。運営するのは渡辺観光。加藤ノドカが入社したのは今年4月のことだった。 その日も出航時間が近づいていたが、1名の予約客が現れない。名簿を確認するノドカ。 ー安藤康之 40歳ー 「そ... -
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怪異
家が鳴れば家鳴、火が消えれば火消婆、チンコの周りが怪異ときはインキン。昔から人は妖怪と共に生きてきました。 前にどこかで話しましたが、20年ほど前の話です。夜に家の周りをハイヒールで歩き回る音が聞こえてきたんです。ずーっと続くので姉ちゃんビ... -
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最&高
親と同居、窓際、天パ、痔持ちときたら結婚相談所では箸にも棒にもかかりませんが、社交辞令の会話で、ご趣味は何ですか?と聞かれれば、ハイ旅館ですと答えるでしょう。 旅館に着いたときのロビーのワクワク感、持ち込んだ酒がコツコツ鳴ってバレるんじゃ... -
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執念が奇跡を生む
刑法200条 自己又ハ配偶者ノ直系尊属ヲ殺シタル者ハ死刑又ハ無期懲役二処ス 1968年10月、父親が実の娘(A子)に殺害される事件が起きました。 事件から数日後、宇都宮に事務所を構える大貫大八弁護士のもとに、依頼人が訪れます。 依頼人は殺害された父親の... -
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身から出た錆
堅苦しくない場所では、趣味を聞かれればママ活です、年齢を聞かれればZ世代です、と誠心誠意お答えしているんですが、寒さで言えば、団塊の世代を男根の世代と読んで、お茶の間を凍りつかせた義理の妹よりは、自分はまだマシかと思われます。 小6の娘に...