チョッパーさんから頂きました!ありがとうございます!
すみません、前回のメールの後半で、脳外科の手術で怖い思いをした話をしたのですが、言葉足らずで想像しづらいかも、と思い補足メールです。
脳浮腫といいましたが、実際は脳浮腫から来る脳ヘルニアという状態になると命の危険が大きくなります。
頭部外傷で頭蓋骨の内側で出血して血の塊、血腫(けっしゅ)ができると、頭蓋骨の内圧が高くなって行きます。その圧力は、頭蓋骨で逃げ場がないので、脳の中心部に圧力が行ってしまい、大脳が中心部に向かいヘルニア状態となります。その中心部には脳幹部があります。脳幹部というのは生命の中枢があり、心臓の動きや呼吸をコントロールするところです。そこがヘルニアで圧迫されると、脳幹部が働かなくなり、死んでしまいます。これが非常に怖い状態です。
↑ここの図がわかりやすいです。
実際の手術の際、この血腫は右か左に偏ってることが多く、頭蓋内圧を逃すために、右か左の頭蓋骨を大きめに開けます。そこで血腫を除去して、出血部位を止める、ということをするのですが、①脳浮腫が強かったり、②開頭した側と反対側に脳挫傷などがあり、頭蓋内圧が高かったことで抑えられてたものが、手術で頭蓋骨を外すことで圧力が下がり、出血が再開し増えて、脳がモリモリ内側から盛り上がるなどが起こります。そうすると、前のメールで話したように、脳ヘルニアの状態に陥って、テーブルデス(術中死)の可能性が高くなってしまいます。その状況が非常に怖かった、というのを伝えたかったんですが、うまく説明ができていなかったと思います。今回の説明もあまりうまくできてないかもしれません^^;;;。(あと、脳ヘルニアは、頭部外傷を起こして3時間以内くらいに起こってしまうことが多いので、患者さんが受傷して救急車呼んで、病院に運ばれてCT撮って急いで手術室行ってなど、慌ててました。あ、外傷の手術は顕微鏡は使わないことがほとんどでした。)
それから、圧迫されている脳は健康的なピンクがかった薄茶色ではなく、血の気が引いたように白っぽくなっていました。
今思い出しても怖いですね。
ではでは、補足のメールでも長文となり、すみません。もちろんお二人に伝われば、と思ってのメールなので、紹介はしなくてOKです^^。
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