何年か前に、前職のホームセンター時代のバイト君のハッシーから「チンさん暇なら飯行きません?」と久しぶりにラインがきて、「何?やめてよ?自殺とかやめてよ?」と心配したんですが、「何言ってんすかwそんなんじゃないっすよ」と言うので会うことにしました。

ハッシーといえばタイガーでよく一緒に俺の空を打っていましたし、仕事を辞めて無一文の僕に「暇ならタイガー来ません?金出すんで花の慶次打ってくださいよ。勝った分はあげますから」と誘ってくれたこともありました。しかし結果は見事ノーボーナス。ストレートで年下の6万を溶かして帰るという不甲斐ない僕を笑って許してくれるナイスな後輩でした。

そんなハッシーとマルハンで待ち合わせをし、しこたま負けて近くの牛タン屋へ移動しました。「話って何なのよ」と聞いたところ、専門を卒業して保育士になって、日本の子供の環境がいかに悪いのかを知ったとのこと。保育士の給料が低いことで有能な人材が保育の世界に流れてこず、結果、保育を受ける子供達が被害を受けていると。「ヤバいっすよ」とハッシーは言うんですが、「んで、どうしたいの?」と聞いたら、「市議会議員か県議会議員になって、保育の現場を変えたいんですよね」と言うのです。

ハッシーは昔から男気のあるヤツでした。飯を一緒に食いに行っても、会計のときにハッシーは先に店を出て、支払いが終わった僕が店の扉を開けて外に出るタイミングで、足を開いて膝に手を乗せてお辞儀をしながら「ご馳走さまでした」と。僕はそれに対して「おう」と言うだけ。これは完全に伊沢と丹下の「立つんだジョー!」言って嬉しい言われて嬉しい状態です。他にもハッシーが保育士の専門学校時代に、クラスの女子に僕や「大江戸レイプマン」でお馴染みの門脇さんの話をし、会ったこともない女子達の人気者になるという不思議な事件があったんですが、僕が調子に乗って「木村ズッコンバッコン」と意味不明なメールをしたら、女子は一気に引いて、それ以降は僕の話題があがることはありませんでした。そんな僕を笑顔にすべく、深夜の街道で、帰宅する僕の車に一生懸命ダッシュで並走してくれたんですが、交差点にパトカーがいて、僕が走り去った後にハッシーは警察に怒られるといった事件もありました。

「やりゃあいいじゃん!応援するよ」そう言ったのですが、ハッシーには秘策があったようで、「知り合いが働いてる保育園に通ってる保護者に◯垣◯◯子って人がいるんすよ。ラジオとか出てる。その人も保育の現状に関心があって、有名人なんで、その人も巻き込んで何とかしたいんですよね~」と言いました。僕は「おお!いいじゃん!その人オレも知ってるよ!」

と当時は言いましたが、これを書いている2024年現在、その有名人は参議院議員になってトンチンカンなことばっか言って、周りは引いているよ。そう「木村ズッコンバッコン」と言った僕みたいに。

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この記事を書いた人

東北の某都市の零細企業で働く窓際びんびんサラリーマン。
幼少の頃から霊感の強い母方実家の人間や幽霊屋敷に住む友人などに囲まれて過ごすが、本人に霊感なし。
代表作「ボウィンマンの一言物申す」

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