火に油

僕の仕事の8割は商品の発送に関わるもので、基本的にはパートさん達がペアになって効率的に行っています。うちの会社はホワイト企業を通り越してスケルトン企業と呼ばれていますから、パートよりも社員が上みたいなカースト制度はなく、身分関係なく歳上には敬語です。そんなものは当たり前田のクラッカーですので、僕はアラ還以外のパートさんには年齢関係なく敬語ですし、うちの社長に関してはアラ還にまで敬語なので、本当に人を大事にする素晴らしい会社だと思います。

先日のことなんですが、その日はパートさん5人が出勤でしたので、僕は「2人ペアになってもらって、誰か1人は自分と組みましょう」と言い残して違う部署へ。用事を済ませて戻ると、アラ還が「やるよ!チン君!」と張り切っていました。そして次の瞬間、「なにその嫌そうな顔~」と言うのです。たしかに若いパートさん同士が組んでいる とか、残ったアラ還は秋田の山奥で村一番のおさせだった とか、いろんな要因はありますが、それを顔に出すほど僕はゲスではありませんので、「うそ~ん、て声まで出たわw」と冗談を言って作業を開始し、終わったのは5時前。皆さんベテランですから、何があっても時間内に終わります。

帰り際にまたアラ還が愚痴りだしました。「あの顔はないわ~。ムカつく~」と。その後も僕を凄く責めてくるので、「いやいや~、そんな顔するわけないじゃないですか~」と弁明しても駄目。「わざとじゃないっす。無意識ですよ~」と言っても火に油。ババアの女子力にうんざりしていると、アラ還の後ろの段ボール箱にアラ還の字でなにやら書いてあります。よく見ると「梱包グッツ」と。

「ちょっと聞いてんの?!」と言われたので、「何すかグッツってwwwグッズじゃねーのソレwww」と指摘するとババア怒りMAX。最後には「娘に言いつけてやる!」と言って帰り支度を始めました。

会社というのは目の前の仕事をすればいいというものでもないんですよね。パートさん達が気持ちよく働けるよう、みえないところのケアを僕はしています。ときには褒めたり、ときには冗談を言ったり、そうやって皆さんが笑顔で働けるように心がけています。

そうアラ還に説明したところ、「あの嫌そうな顔をして、誰か笑ってた?全員に聞いてみなさいよ!!」と叫ばれました。

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この記事を書いた人

東北の某都市の零細企業で働く窓際びんびんサラリーマン。
幼少の頃から霊感の強い母方実家の人間や幽霊屋敷に住む友人などに囲まれて過ごすが、本人に霊感なし。
代表作「ボウィンマンの一言物申す」

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