命日

これを書いている8月17日はうちの婆ちゃんの命日です。古い人間は命日を「タツビ」なんて言いますが、発つ日という意味でしょうか?朝に髭を剃っていると両親がお墓参りから帰ってきました。

婆ちゃんが亡くなってから21年が経ちます。8月の初めの暑い日でした。大学1年の僕は教習所に通うために自転車を走らせていたんですが、婆ちゃんが鍛冶屋さんの前で腰掛けていたんです。「おっ婆ちゃんいた!」と走り抜けたんですが、そのときには具合が悪くなっていました。鍛冶屋さんがそれに気づいて救急車を呼んでくれて、婆ちゃんは脳外科に運ばれました。そして一度も意識が戻ることなく17日に亡くなりました。

前回の更新で少しお話しましたが、うちは神道です。葬式の10日後には十日祭があります。これは仏教の初七日にあたり、座敷にテーブルを連ねて親戚を呼び、ご馳走を振る舞います。叔父さん叔母さん従兄弟がたくさん集まる中、僕はこれに出席せずに女の子に会いに出掛けました。出発する背中に兄貴から「合コンかw」の声が掛かりましたが、当時の僕は気にせず家を出ました。忘れもしない8月27日、十日祭の日のことです。

その女の子が今の奥さんなんですが、結婚するときに母ちゃんや姉ちゃんに会わせたところ「婆ちゃんと話しているみたい」と言うのです。顔も声も何も似ていませんが、婆ちゃんを感じるそうです。奥さんは婆ちゃんを写真でしか知りませんが、凄く喜んでいました。

運命なのか、婆ちゃんが引き合わせてくれたのか、家族の法要よりデートを選んだ不謹慎男なのか、それはわかりませんが、奥さんとの出会いはナニか不思議なものを感じています。そして、結婚当時は想像もつきませんでしたが、僕と奥さんは婆ちゃんが暮らした僕の家で今を過ごしています(次男坊と結婚したのに家に入ることを了承してくれた奥さんには感謝しています)。

今の状況には婆ちゃんやもっと上のご先祖さんの力が作用してるんじゃないかと感じてしまいますが、それは全て幸せの方を向いていると思いますし、僕が奥さんや子供を幸せにすることが婆ちゃんやご先祖さんの供養になるんではないでしょうか。

後で墓参り行ってきます。

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この記事を書いた人

東北の某都市の零細企業で働く窓際びんびんサラリーマン。
幼少の頃から霊感の強い母方実家の人間や幽霊屋敷に住む友人などに囲まれて過ごすが、本人に霊感なし。
代表作「ボウィンマンの一言物申す」

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