今回は「夏だ!お盆だ!降霊術だ!!」と、題してお送りしたいと思います。
夏もいよいよ本番です。
町のあちこちで、盆踊りのやぐらなどを見かけるシーズンとなってまいりました。
「魔」や「霊」が潜む時刻から始まる盆踊り。
お盆は地獄の釜の蓋があいて、霊があの世から帰ってくるシーズンと言われています。
こんな「帰還した霊」がうようよするシーズンに「古今東西」の「霊」を呼ぶ方法をピックアップしたいと思います。
日本の代表的な降霊術
お盆
お盆は仏教からきた行事です。
「中華文化では道教を中心として旧暦の七月を「鬼月」とする慣習がある。
旧暦の七月朔日に地獄の蓋が開き、七月十五日の中元節には地獄の蓋が閉じるという考え方は道教の影響を受けていると考えられる。
台湾や香港、華南を中心に現在でも中元節は先祖崇拝の行事として盛大に祝われている。」
とwikipediaにあるところを見ると、仏教と道教が習合して始まった風習でもあるようです。
お盆は率先して霊を呼ぶわけではなく、あちらから、こちらが何もしなくても帰ってくるわけです。
ただ、古来より、帰ってくる霊がきちんと自分の家に戻ってきて、他人の家に間違って言ってしまったり、迷子になることを防ぐために、いろいろと工夫されていました。
お盆に準備するものは地域によって特色があるので、代表的なモノをピックアップしてみました。
用意するもの
- ナス
- きゅうり
- 割り箸
- 藁人形(地域による)
- 迎え火用 藁
- ろうそく 1本
- お線香 数本
方法
- 迎え火をする
- ナスやキュウリに割り箸を刺し、四本脚の動物を作り玄関に置く
- 玄関近くで灯りをともす
- 「ぼんさん、ぼんさん、この灯りでいらっしゃい」と唱える
- 送り火はの時は「ぼんさん ぼんさん この灯りでおかえりなさい」と唱える
この動物をかたどった野菜が一種の降霊アイテムで、この動物の背に乗って、霊があの世からやってきて、また戻っていくとされています。
また、地域によっては藁人形も一緒に置く場合もあります。
注意点
お盆期間中は水辺、山に入るのは注意しましょう。
この時期は「魔が多い」といわれていいます。
また、ご先祖様が返ってくる季節なので、しっかりお墓参り等の供養を行うようにしましょう。
こっくりさん
お盆は、放っておいてもあちらから霊が帰ってくるという、「受け身」なものでしたが、積極的に呼び出そうというものがあります。
その代表的事例が「こっくりさん」でしょう。
用意するもの
- 「あいうえお」五十音と数字1~10、アルファベットと鳥居を書いた文字表
- 硬貨
方法
上記で用意した文字盤に硬貨を乗せ、数人でその硬貨の上に小指を乗せて「こっくりさんこっくりさんいらしてください」と唱える。
目的
霊に質問をし、その解答を「神からの啓示」とするというものです。
鳥居を書くのは、この霊が「稲荷神社の使い」の「お稲荷さん」(きつね)の霊であるとされる所以です。
しかし、この霊が本当に「お稲荷さん」の霊かどうか、確かめるすべがありません。
もしかすると、その辺に浮遊する悪霊かもわかりません。
そんなときは、思い切ってお稲荷さんの霊にむかって名前を尋ねてみるのがよいでしょう。
答えられなければ、悪霊。
本物のお稲荷さんの場合は、何か歴史上の大人物の霊を騙って、「我こそは徳川家高であるぞ」など、それらしい有名人や神名を騙って、少々「気取った風」に現れるとか。
「きつねの霊」は自分を高く見せようとするのが特徴だそうです。
注意点
「こっくりさん」で一番懸念されるのは、降ろした霊がお帰りにならない「狐付き」の状態になってしまうのが一番危険とされています。
この状態を防ぐ方法はありません。
複数でおこなうという点だけが、対応策といえそうです。
あまり霊感の強いひと、感受性の強いひとはやめておいた方がよさそうです。
もし、憑かれてしまったら・・・
すみやかに神社に行ってお祓いをうけましょう。
神社には『お祓い』の申込書が置いてあります。
そこに必要事項を書き込めば、お祓いは簡単に受けることができます。
呼び出して、質問に答えてもらうわけですから、ただ働きというわけにはいきません。
近所のお稲荷さんの前を通ったら、「こっくりさん」で使った硬貨はお賽銭として奉納しましょう。
また「あぶらあげ」を奉納するのもよいでしょう。
口寄せ
さて、前回までは、「勝手に霊が来る」、そして「積極的に呼び出す」状態をご紹介しました。
次は「プロに頼む」方法です。
霊を呼んで、霊媒師に乗り移ってもらい、質問に答えてもらうことを「口よせ」と言いますが、青森の「いたこ」、沖縄の「ユタ」等はあまりに有名です。
もちろんこの2か所のみではなく、「御嶽山」「お大師さん」と称して「霊媒師」がおのおの信仰する信仰対象の霊と交信する方法もあります。
接触方法は、各宗教団体等の窓口にお問い合わせください。
用意するもの
イタコや霊媒師への謝礼。
相場は5千円から。
あとは言い値。
けして安くはないので、悪質なところに気をつけましょう。
方法
プロの霊媒師であるイタコやユタ、「よりまし」と呼ばれる人に霊を乗り移させる。
依頼するので、依頼者は何もすることはありません。
注意点
プロに頼む方法なので、注意点等、後々の霊障の心配がまったくないことがメリットですが、霊媒師の方にお願いする方法はけして安価なものではありません。
この点は、やはりあの世の方とコンタクトをとるということが、いかに危険な行為かを如実に物語っているといえるでしょう。
また、こうした「霊媒師」や「宗教団体」との接触もあとあとトラブルにならないためにも安易にかかわらないほうが身のためでしょう。
百物語
数人が集まって怖い話を百話しながら、自分の持っているろうそくの灯を吹き消していく・・・というもの。
百話目に霊が召還されます。
よく漫画などでは三分クッキングのように、もういきなり百話目のコマになってろうそくを吹き消すシーンがありますが、一話につき一本ですからろうそくは百本なわけです。
仮に5人で百物語を行ったら、一人頭二十話。
ろうそく二十本担当しなければなりません。
用意するもの
- ろうそく100本
目的
ある意味興味本位。
注意点
百物語の降霊術には、定まった霊の帰還法が特別ありません。
また呼び出す霊に関しても、「誰誰を呼び出す」とか「こっくりさん」とか宛名が定められていません。
要するに百話終了時にどんな霊が現れるかわからないわけです。
凶悪な地縛霊の確立が高いため、安易におすすめはできません。
西洋の代表的な降霊術
ウイジャ板によるエンゼルさま
日本の「こっくりさん」と酷似した降霊方法。
用意するもの
- ウィジャ板といわれるアルファベットと数字、yes.noが記された専用の板を使用します。
(なければ手書きでもかまいません。) - ハート型のプランシェット。
(なければコインでかまいません。)
方法
霊の呼び出し方は、一人の人がブラシェットの上に手を置いて「エンゼルさま エンゼルさま いらしてください」と唱えます。
降霊を始める前に、インセンスを焚くなどの雰囲気づくりも必要でしょう。
ただし、降りてくる霊が「エンゼルさま」の場合は、エンゼルさまとの交信は英語であることをお忘れなく。
注意点
「こっくりさん」同様、質問をし終えたら、このプランシェットは定位置に戻さなくてはなりません。
「エンゼルさま エンゼルさま もとにお戻りください」と唱えながら行います。
霊が戻ってくれない場合・・・強制的に帰還させる方法はないようです。
安易に行うのは危険であるといえます。
降霊会
シャーロック・ホームズの作者イギリスの作家コナン・ドイルも晩年はこの降霊術の行われる降霊会にはまったとか。
五人ほどの人が丸いテーブルに集まって座り、隣の人間と手をつなぎ 「Elohim Essaim Frugativi et appelavi(エロイム、エッサイム、フルガティウィ・エト・アッペラウィ)」と召還の呪文をとなえる。
この時室内は全くの暗闇でなくてはなりません。
要するに、貴方の手をつないでいる隣の人間が、さきほどまでの見知った人間かどうかが判別できなくなるくらいの暗さであることがポイントです。
用意するもの
- 参加者5~6人
- ラウンドテーブル
目的
死者との会話そのものであったり、生前死者しか知りえない情報を聞き出すことであったり、いろいろです。
注意点
注意点としては、「呼び出した霊」は「こっくりさん」「エンゼルさま」同様、素直に帰ってくれない場合もあるということ。
霊によっては、呼び出すことすなわち、死の安息をやぶられ、たたき起こされたことへの不快さで、呼び起こした相手に不幸や不慮の死を与える等の腹いせを行うものもあるので、面白半分な降霊は慎むべきでしょう。
悪魔召還
降霊術が、人間の霊を呼び出すものであるなら、こちらは「悪魔」限定です。
悪魔の召還方法に関してはグリモワールと呼ばれる「魔術書」にその詳細が記されているといわれています。
中でも有名なグリモワールは「ソロモンの杖」と呼ばれるもので、78人の悪魔の名前、紋章、召還時に使用される魔法円の描き方、そして儀式に使用される動物の骨や皮、特殊な香、またはそのときに使用される召還文が記載されているといわれています。
用意するもの
- 魔術書の指定による。
(魔法陣・ろうそく・動物の骨・皮・特殊な植物・香料など)
目的
各魔物たちは、おのおの魔界においては権力者であり、相当の財力を保持、管理しているといわれています。
彼らを呼び出して、その財を取り上げることが、だいたいにおいて呼び出す目的であったようです。
注意点
呼び出す相手がかなり大物なので、魔術書は必須。
しかし、魔術書にそった儀式でなければ悪魔は召還できないので、さしたる注意点はなさそうです。
また、名前や紋章を正確に把握することが悪魔にとっては弱点になるともいわれています。
彼らは名前をしられるとその魔力が無くなる、または軽減してしまうといわれています。
そして、かなり強力な魔法なため、悪魔の弱点を完全に掌握した召還方法であれば、彼らを自在に操り、富を奪い取ったあげく、きちんと魔界に強制送還することが可能であったようです。
ここまでできれば、もはや呼び出す側のほうが悪魔のような人間といえるかもしれません。
ハロウィン
ハロウィンは日本でもかなり有名になってきた西洋の「お盆まつり」のような風習といえるでしょう。
時期は10月の末日。
近所の子供たちがお化けの恰好に変装して「お菓子をくれなきゃいたずらするぞ」と大人たちを脅迫しながら一件ずつ、町内の家を回るというのも、日本の昔の「お祭り」を彷彿とする部分があります。
扮装は、やはり、本物の「お化け」が出やすくなるという点で欠かせない事柄といえるでしょう。
「今の子・・・うちの町内にいたかしら?」お菓子を渡したあと、ふと大人たちが首をかしげる・・・そんな状態が起こりやすくなるのも、ハロウィンの仮装の作用かもしれません。
用意するもの
- お化けに扮装する衣装
- 子供に配るお菓子
方法
欧米のキリスト教圏社会にもぐりこんで、ご近所と仲良くなり、行事に参加させてもらう。
これが一番の方法でしょう。
注意点
アメリカなどの銃社会でのハロウィンは毎年悲しい事件が起きるシーズンでもあります。
お化けより、人間に十分注意して、不法侵入はけしてしないようにしてください。
2ちゃんねるやネットで有名な近年の降霊術
ひとりかくれんぼ
2ちゃんねるやネットでは、「ひとりかくれんぼ」と呼ばれる、最近の「都市伝説系」の降霊があるようです。
その方法に関しては、さまざまですが、おおむね、「ぬいぐるみ」を使用し、一人でかくれんぼを行うとされています。
ぬいぐるみを隠して自分で見つけるという方法と、自分が隠れて、ぬいぐるみに自分を見つけてもらうという2種類があるようです。
用意するもの
- 「ぬいぐみ」一つ
注意点
霊がとりつき安いため、「ひとりでやらない」ことだそうです。
それじゃ「ひとりかくれんぼ」ではない気がしますけれど。
かごめ降霊術
童謡「かごめかごめ」を使った降霊術。
かごめ かごめ かごの中の鳥は・・・というフレーズの、『籠の中の鳥』とは、「呼び出された霊のこと」であるという設定で行われます。
この時点において童謡は「召還文」となるわけです。
用意するもの
- 参加者 5-6人
方法
- 参加者五~六人が輪になって各々隣の人と手をつなぎ、中心にじゃんけんで負けた子供が両手で顔を覆って周囲が見えない状態で座る。
- 周囲の子供は中心の子供の周りを時計回りに「かごめかごめ かごの中の鳥はいついつでやる 夜明けの晩に ツルと亀がすべった 後ろ真正面だあれ」と歌いながらまわり、歌がとまった時点で、中心の子供の真後ろにたったものが通常では、「鬼」ですが、その「鬼」にあたった人間に「霊」が憑依する・・・とするものと、中心に子供を配置せずにこれを行うと、中心に「霊」が降りてくるという説があります。
注意点
呼び出した霊との交信方法や、返還方法が見当たらないため、呼び出したはいいが、どうやって終わらせたらいいかわからないという状態をさけるためには、降霊目的では行わないほうがいいでしょう。
チャーリー降霊術(ゲーム)
ウィジャ版を使った「エンゼルさま」に似た降霊法です。
発祥はメキシコ。
方法はウィジャ版のような霊との質疑応答用の用紙を用意します。
呼び出すのは「チャーリー」ことメキシコの神「テスカトリポカ」。
「チャーリー」は「テスカトリポカ」をスペイン語読みしたものを、更に英語読みしたものとか。
用意するもの
- 鉛筆 2本
- 方眼紙 1枚
方法
- 方眼紙の中央に鉛筆二本で十字を作り四等分された空白部分におのおのyes・no、no・yesと書く。
- 「Charlie,Charlie,Are You Here?(チャーリーチャーリーアーユーヒア?)」と問いかけます。
この際いっさい鉛筆には触れてはならず、中心の鉛筆が左右に動きはじめたら質問開始です。
目的
「こっくりさん」「エンゼルさま」同様に「霊への質問」が目的のようです。
注意点
呼び出したチャーリーが帰ってくれないという事件が多発するそうです。
カトリック教会の神父が「呼び出すことは出来ても除霊はできないからやっていけない」と警告を発するほどだそうなので、やらないほうが身のためといえるでしょう。
それでもやってしまい、チャーリーが帰らない場合は「get away!!!」と叫びながらyes・noの書かれた方眼紙をやぶり捨てる・・・のだそうです。
スクエア
雪山で遭難したパーティー五人のうち、一人は亡くなってしまい・・・ほうほうの体で山小屋にたどりついた四人が、お互い眠って凍死しないように、部屋の四隅に四人が各々座り、時間をきめて隣の人間を寝ないように起こしにいく。
時計回りに右の人間が自分の左の人間の肩をたたき移動し、叩かれた人間はさらに左の人間のところに行って、やはり肩をたたき・・・とぐるぐる回る。
こうして寝ないでいて、四人は助かるけれど、初めの人間の肩は誰がたたいたのか?ということに皆があとで気が付く。
こうしたエピソードから生まれた降霊法。
用意するもの
- 参加者4人
- 四角い四隅のある部屋。
方法
- スクエアの起こりで説明したように、部屋の四隅に四人が各々座る。
- 時間をきめて隣の人間を寝ないように、時計回りに右の人間が自分の左の人間の肩をたたき移動する。
- 叩かれた人間はさらに左の人間のところに行って、やはり肩をたたき・・・とぐるぐる回る。
- これを繰り返す。
注意点
すべての降霊法に通じるものですが、呼び出された霊が必ずしも「よい霊」とは限りません。
またこのスクエアも「帰還法」が不明ですので、容易に行わないことが望ましいでしょう。
ブラッディ・メアリー
アメリカの都市伝説の一種。
その名の通り、血まみれの白いドレスを着た女性が鏡の中に現れるというシンプルなもの。
ちなみにカクテルのブラッディ・メアリーとは関係ないそうです。
用意するもの
- 鏡 比較的大きめのもの 1枚
方法
「ブラッディー・メアリー ブラッディー・メアリー」と三回、深夜鏡にむかって呼びかける。
目的
特に呼び出したブラッディ・メアリーに質問、依頼をするわけではないようなので、興味本位。
注意点
彼女を呼び出すと、多かれ少なかれ災難に見舞われるとのことですので、除霊方法がわからない現時点ではむやみに呼び出さないほうが無難といえましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
既存の降霊術をピックアップしてみただけではありますが、いろいろと海外や国内、今むかしのものを比較してみるとある共通事項がうかびあがるかもしれません。
「降霊術集」というよりは「やってはいけないことリスト」になってしまいました。
また、注意点として、古今東西共通することは「呼び出すのは比較的簡単だが、呼び出したら最後、なかなか帰らない」もしくは「思い通りにいかない」という点です。
こういう人、霊じゃなくてもいそうです。
霊も人も・・・
触らぬ神にたたりなし・・・これが一番のようです。
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